子どもの頃の歯科体験

私の子どものころは、歯科検診でむし歯があると言われたら、すぐ歯科を受診し、治療をしてもらっていました。痛い思いをしての治療であり、むし歯になるのは仕方がなく、早く治すためには我慢をしなければ…という一心でした。「むし歯にはなりたくない。」と言う気持ちはありましたが、どうしていいかわかりませんでした。今の時代のようなカリオロジーや個々に合ったリスク診断がなかったので、今の子どもたちが羨ましいです。

現在所属の医院を選んだ理由

歯科衛生士になった当初から、むし歯予防に関わりたい気持ちが強かったので、息子が通っていた小学校で、歯科講演や歯科授業、「歯っぴいゼミナール」という広報紙の発行などの活動を行っていました。その時、学校歯科医をしていた院長に出逢い、予防に関する熱意と行動力に魅かれ、当院で働くことを希望しました。

当院の診療の特徴と私の役割

当院は、小児矯正部・成人予防部・治療部と3つの部署に分かれています。また、受付や滅菌・マネージメントスタッフもいるため、歯科衛生士という仕事に専念できます。各自が専門的な分野を学び、患者さんによりよい医療が提供できるよう心がけています。私は小児矯正部に所属し、0~20歳までの患者さんを担当しています。健康な口腔内を守り育てることが私の役割です。

メインテナンスで心がけていること

子どもは毎日成長しています。生活環境やライフステージにより口腔内は大きく変化します。そのため、成長過程や生活環境に沿ったリスクコントロールが大切と感じています。今の時期には何が大切なのか、何を伝えるべきか、優先順位を見極めるために、子どもたちや養育者を注意深く観察し、話に耳を傾けています。子どもたちが養育者に言われたからではなく、自分の力で口腔の健康を守ることができるようになって欲しいです。

歯科衛生士の仕事をしていてよかったと思うこと

子どもたちが自らすすんで歯磨きに取り組み始めた時。カリエスフリーで20歳を迎えた時。「むし歯になりたくないから、○○○○○を頑張る。」と子どもから言ってくれた時など、私たちが提供する医療の在り方が受け入れられていることが実感できた時はうれしいです。それと、「私も歯科衛生士になりたい。」と言ってもらえた時もうれしいです。歯科衛生士の仕事の素晴らしさや魅力が伝わっていることに感激します。歯科衛生士になってよかったなあと思います。

スキルアップのために心がけていること

小児専任となって10年を超えました。子どもたちの口腔内は、0歳から20歳までの間にとても変化します。さまざまな変化や問題に対応できるようにスキルアップに努めています。

  1. 1~2か月ごとに小児と保護者を対象とした、口腔の健康啓発新聞(歯っぴいゼミナール:最新号は82号)の刊行
  2. 興味あるテーマに関して調査した内容を含めたトピックプレゼン(毎年11月におこなう症例発表会)
  3. 小児歯科学会でのポスター発表
  4. 徳島大学歯学部小児歯科での定期的な研修

これからの歯科衛生士の働き方

8028を達成するためには、小児を担当する歯科衛生士の役割は特に重要と考えています。私たちの診療所では、5歳未満から来院する子どもたちは、20歳でDMFTの値が1以下となってきました。しかしながら、永久歯列期から来院する子どもたちの口腔内には、来院時に多くの充填処置が施されています。地域の子どもたちも36%程度しか、当院には来院していません。
私は、子どもたちが健康な口腔を育むために、できるだけ早期から、より多くの子どもたちにメインテナンスを受けてほしいです。そのための活動を、今後も診療所の内外で行っていきます。今回のクラウドによる情報発信も有効なのではと期待しています。地域を変えるためには、まだまだ多くの歯科衛生士も必要です。共に働く仲間を増やしていくような活動もしたいと思っています。

歯科衛生士を生涯続けますか?

もちろんです。生涯現役!

  • 子どもの頃に関わった歯科医院の考えが、子どもたちの将来の口腔内に繋がる。本当に大切なことを子どもたちに伝えたい。
  • むし歯予防は特別なものではなく身近なものに。日常生活の中で当たり前に予防ができている。そんな生活を送ってもらいたい。
  • 一人でも多くの子どもたちが、「歯っぴい」になりますように。