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赤倉毅彦先生・赤倉実里先生:ページデンタルクリニック

地域や企業の方々と協力しながら予防歯科を普及させたい

地域や企業の方々と協力しながら、予防歯科を普及させたい

予防歯科のシステムづくりで大変だった点があれば教えてください(赤倉毅彦先生)

 まずは自分の意識の問題で、最初の頃は同じ歯科医療者として、なぜ治療しない?なぜ削らない?まずは治療を優先すべきじゃないかという疑問を抱えている状態でした。歯科医師として患者のためにという思いは同じでも、院内は従来の治療主体とした診療とMTMを基軸とした予防の2つに割れていたかもしれません。そのため、歯科衛生士をはじめとするスタッフにも意識が浸透するのに時間がかかりました。

 しかし、MTMを実践すると患者自身の口腔内の意識が変わることや、治療が円滑に進めることがわかってくると治療と予防のどちらを優先するのかという悩みは減っていきました。

 今は、OPと専門治療が連携し医院は一つのチームとして成立してきたため、専門治療を担っている私はすごく助かっています。予防歯科は歯科医師だけではできません。一人ひとり異なる患者の口腔を最適に管理するために、チーム医療は不可欠ですし、そういうチームができるまで、当院は今年で5年目ですが、長い時間がかかりました。


院内がチームとして成立してきたので私はすごく助かっています

貴院のU20の診療について教えてください(赤倉実里先生)

 まず最初はU20の患者さんは全く来ませんでした。近年は、むし歯予防で歯科医院に通院することが当たり前になっていると思っていましたが、普通に歯科医院を開業するだけではU20の患者さんは、なかなか来ないのだと痛感しました。さらに開院時は、院長が日本歯周病学会の認定医ということもあり歯周病予防に特化した医院ブランディングをしていました。そのためか、U20や若い世代の方が当初入りにくかったようです。
 さらに診療をしていて思うことは、私たちが思うほど地域にはむし歯予防はまだまだ普及していないのかもしれないと感じました。そこで、医院内で話あい支援センターや院内にてMTMやむし歯予防の啓発活動を行ったり、保育士を加えU20や若い世代の方たちが予防のために歯科に通院して良いのだと知っていただくことから始めました。


予防歯科にチーム医療は不可欠ですしそういうチームができるまで長い時間がかかりました

 KEEP28を目標に歯科を通して子育てのサポートや親御さんのためにも、保育士は必要だと考えています。ただ歯科医院は医療現場ですので、そこを理解して医院の一員として活躍するのは、簡単ではないなというのが実感です。今は歯科教育を行なって見たいという保育士がいるので、今後に期待しています。


歯科医院は医療現場ですので、保育士が医院の一員として活躍するのは簡単ではありません

今後、医院をどのように発展させていきたいですか

 看護師の方とお話していて気がつかされたのですが、医科の場合、開業医でも外科と内科に分かれ科も細分化されています。そして、まず受診するのは内科であり、患者自身も病気が進行しないよう疾患をコンロトールするように気をつけます。しかし、歯科の場合、内科にあたる初期治療や生活習慣の改善はほとんど軽視され歯科医師による外科的な治療をすることが優先されてしまいます。口腔の健康維持には、生活習慣やプラークコントロールなどの基盤が大変重要です。今後は、治療が必要な世代のみならず、若い世代の方たちに歯科への入口は未病・予防であり提供する医療の中核にMTMがあり、マイハイジニストが口腔の健康維持のパートナーとして必要であるという考え方を広めていきたいです。

 また最近、企業の健康保険組合の方とお話ししたのですが、このような考えにとても賛同していただけました。当院だけでは難しいので、地域や企業の方々と協力しながら、予防歯科の普及に努力してまいります。


先生による自己評価(5点満点)