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第5話 福田歯科医院訪問 第二節

第4話 福田歯科訪問 第二節

取材日:2022/8/26(金)、27(土)

マルコと新たなポロリーズによる新価値発見の旅

8/26(金)“一行”は関西・首都圏、そして、北海道積丹半島に位置する村から、函館を目指した。北海道が誇る予防歯科の大家、福田歯科だ。着くなり、玄関先でいつもの温かい歓迎を福田歯科ご家族のみなさんから頂戴し、この一泊二日の貴重な旅が再開となった。

 開始は17時過ぎ。院内ツアーから始まり、研修室で実証結果の報告・討議、そして懇親。夜の22時半過ぎ迄行うこととなった。院内ツアーは衛生士さん個室から開始。冒頭の紹介がOP流・福田歯科流そのものだった。「この診療所、この衛生士室各部屋で取り組む予防とは、MTM・フッ化物塗布だけでは無いのです。患者教育(コミュニケーション)をそれ以上に大切にしているのです。診療所内で出来ること、診療所に来ることが出来ない時にこそ患者さんに取り組んでもらいたいこと。その両方を欠かすことなくしっかり説明し、また、資料をクラウドを通じてお渡しすることがこの予防歯科にとって非常に大切なのです」と副院長の福田幹久先生。

 続いて一行は、小児歯科側に案内され、U20よりもさらに細かく細分化したジュニア向け予防歯科プランのご紹介、挑戦的に取り組まれているサブスクリプション予防歯科モデルについてのお話しも拝聴した。初訪問ご一行はさぞかしOP流・福田歯科流に衝撃を受けたことだろう。産後休暇を終え、つい先日仕事復帰をされた衛生士さんも優しく明るく丁寧に説明を下さり、一行は研修室へ戻ることに。

~U20を細分化、ジュニアから取り組むプログラムをご説明、真剣に聞き入るご一行(健太先生)~

 全国特色のある予防歯科5医院のご協力を得て条件に属する患者さんを全約50名程度参加いただき、Panasonic社電動歯ブラシ“ドルツ”の性能評価検証に取り組んだその実証結果の報告である。関西ご一行みなさんの旅の目的だ。

 定めた患者さん条件・プロトコールに沿い、約1か月半に亘りドルツを用いた歯磨きの有用性実証を行った。PCR値がどう変化をするか。各医院ごとの結果分析、全5医院の結果分析、考察についてPanasonicさんがご準備を下さり、福田歯科先生方、実証に協力を下さった衛生士さんお二人に対し、説明・質問、討議などなど。非常に熱い議論が楽しい雰囲気の中交わされ、1時間程度の予定が3時間半と大きく超過した。

 「遠慮なく、もっと率直に厳しいコメントを頂きたい」のです。「最後の週で患者のPCRがかなり改善しているのですが、衛生士さんから何かスパート(圧力)をかけたのですか?(笑)」そう話し、問いかけるPanasonic オーラル事業 制御開発責任者の浅川さん。笑いも絶えないやりとりが尽きることなく交わされた。「次、実証する際は、手磨きしかしていない学童期の子供たちでやってみるのはどうですか、そうすると親御さんも加わりより良いかも?」、「毛先が当たればちゃんと汚れがとれる。それが電動歯ブラシの良さ、ドルツの良さだと実感しています。設定時間をもう少し長めにしてはどうですか?」などなど衛生士さんが忖度無くご意見を下さる。「次の実証では、歯間ブラシやフロスも使うことも含めやってみたいです」と浅川さん。「今日急きょ予定がキャンセルに。早く分かっていれば、この会議に現場参加をしたかったです・・・」そう悔やむオンライン越しの、Panasonic オーラル事業 商品企画責任者の依田さん。熱のこもった臨床のプロと電動歯ブラシの企画・開発関係者のやりとりに、全参加者がほほえましく聞き入った3時間となった。

~Panasonic部長 浅川さん・大塚さんのショーターイム!!!~
(いつ、夜の宴は始まるのだろう・・・by マルコとポロリーズ)

 続いて二日目。朝10時から、12時半までの2時間半。
 昨晩に続き同じく、福田歯科2Fの研修会場に上がってみたところ・・・。昨夜、食べ散らかしたままその場を失礼してしまった会場が、跡形も無く、きれいな状態に。「朝一番、このお部屋で月1回親御さん向けに研修会・説明会をやっていたのです」とお釈迦さまの笑みを浮かべながら話すお母さん、福田歯科のお母さん、事務長だ。(私たちが訪問するといつも温かくお迎え入れを下さり、F 社みなが大ファンなのです、いつもいつも本当にありがとうございます(感謝))

 今朝の目的は、道内積丹半島に位置する人口約800人の神恵内村で村立歯科医院診療所の院長、萩野先生を交えた福田歯科みなさんとのワイガヤだ。今年6月末、JOF関係者のご支援・ご協力を仰ぎ、萩野先生と私たちで「村民向け予防歯科セミナーを開催」したことをきっかけとして、萩野先生に北海道の雄、福田歯科先生方みなさんにご紹介をすること、また、何より、神恵内村を予防歯科にトランスフォーメーションする際のお知恵などをいただくことを目的として、この場をお願いしていた。

 会冒頭、6月末の神恵内村向け予防歯科セミナー開催に至った背景・経緯をこちらからご紹介。住民の約1割が参加し、また、その大半がデジタルアンケートに答えてくれた。その内容をこの場で詳らかにすることで、村民の口腔状態やそこへの意識、村立歯科医院診療所への期待値などをみなで共有をした。

 「ここまで予防に対する意識が高く、予防歯科医院を村民が求めているにも関わらず、結果、歯科医院に通うタイミングは痛みを感じてから・・・それは勿体ないですよ、先生!」と、福田歯科院長、副院長、事務長から神恵内村)萩野先生に対しお言葉が。「そうなんです・・・」どこか少し!?歯切れの悪い反応の萩野先生。

~神恵内村 村民向けアンケート結果を基に、みなで議論(手前:萩野先生)~

「MTMとは何か、その柱となるのが、リスク検査・規格性のある資料の採取・チーム医療、そしてそれらを支える歯科医療哲学なのです。医院によっては4、5年かかるが院長と衛生士が向き合い取り組むことが出来れば、すぐに根付きます。神恵内村では小さなチームである利点を活かしてぜひ!」と副院長プレゼンが開始。「この患者さん(資料を見ながら)どのくらい状態が悪いか。それよりも、どのくらいの速さで悪くなっていくのか。そこに答えられる歯科医療・医師であるべきなのです。リスクと重症度、進行度に目を向けることが重要なのです」と続く。そして、「定期歯科検診型歯科医療では、患者さんの口腔状態を維持、向上させる成果に繋げることは出来ないのです。私たち歯科医療従事者が認識すべきことは、患者さんとは賢い市民であること、今までの歯科医療を繰り返すことは最悪なのです・・・」と。

~プレゼン開始早々、トップギアに!!!~
“患者さんは賢い市民なんです、今までの歯科医療を繰り返すことは最悪なのです”(副院長)

 暮らしの手帖の記事(1998年5月25日発行)を机上に置きながら、終始、食い入るように黙って聴き入る萩野先生。その記事とは、他ならぬ熊谷先生の取材記だ。萩野先生、どのような思いでお聴きだったのだろうか。常に朗らかで、時に、真剣な眼差しで私たちに優しく語り掛けて下さる院長が最後、ノートパソコンの画面をお見せ下さいました。そこには1869年にブロッカウェー先生が記された「最高の歯科医療」という言葉が映っていた。

 “どれだけ時代を経ても揺るがず変わらない普遍の歯科医療の価値がここに記されています”(院長)

「この言葉、ご存知ですか?ここに全ての本質が記されています。それはどれだけ時代を経ても揺るがず変わらない普遍の歯科医療の価値なのです。熊谷先生がそれを私たちに教え、問いかけて下さったのです」と。「ここに来ると楽しい(学びがあるから)というお子さんを量産することが私たちの思いなのです、マイナス1歳からの歯科医療をお母さんから取り組むことで、母子共に虫歯リスクを減らすことができ、結果、生涯にわたって健康な暮らしが出来るのです、こんな素敵なこと、素敵な医療は他に無いじゃありませんか」

 “どれだけ時代を経ても揺るがず変わらない普遍の歯科医療の価値がここに記されています”(院長)

 お父さん(院長)、お母さん(事務長)のこの言葉こそがすべて。

「最高の歯科医療」を受けることが出来る函館の患者さんが本当にうらやましい。こんなにも熱く、仲睦まじく、素敵なご家族みなさんに自分の口腔を預けることができる市民のみなさんが。

 予防歯科の意義であり普遍の価値。こうしてマルコと新たなポロリーズは旅の中から新たな価値を再発見し続けるのだ。

「また、ありがたい訪問になったなぁ」、そう回想しながら萩野先生と共にほんの少しドライブに出た。神恵内村への次なるアクションを語り合った。先生の瞳のその奥に、何か熱いものを初めて感じることが出来た。 そう、函館が誇るご当地名店、函館ラッキーピエロで非常においしいオムライスをなぜか、先生とシェアしながら・・・。

 神恵内村、きっと進む、そう信じたい。

 製品・サービスを提供するだけで無く、こうして社会に予防歯科を浸透させていく活動もきっとOP医院の先生方は応援や期待をし、サポートしてくれるに違いない。OP医院と取り組む私たちの活動は仕事から互いの「志事」になっているのだから。

 人口800人弱。非常に小さな村だからこそ村民上げて予防歯科に取り組んでみる挑戦を、萩野先生やOPの先生・衛生士さんと共に取り組む。社会実装に向けたひとつの型を生み出すためにやってみたい。

 意を改にした旅になった。共に下さった多くのご一行のみなさんにも感謝の気持ちで一杯だ。

 みなさん本当にありがとうございました。

 ~”我こそ”というOP医院さん、ぜひご連絡下さい。マルコとポロリーズがあなたの医院にズームイン!?~

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編集後記

 後日、副院長 幹久さんからメールが届いた。

 「私の父(院長)が、私の幼少の頃よりクローゼットの裏側に張り付けていた物で毎日診療前に見ていたものです。この精神が根底です」

 

 白亜の要塞の内側に、こうして30年以上も 前から変わらぬ哲学が、まさか、クローゼットの中から宿っていたのだとは・・・。

 親から子へ。そして、きっと孫へ。

 福田家みなさんのプロフェッショナリズムと愛情は、この一文がそれら全てを物語っている。

2022年8月末日
マルコ・ポロリン

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