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糸井さん:チョコレート歯科医院

私の使命は患者さんを健康に導くことです

糸井さんは成人の予防歯科を担当されていますが、予防指導を行う時に大切にしていることやポイント等がありましたら教えてください。

 ひとりひとりのリスクや経過に応じた指導を心がけています。リスクの高い人、低い人にも、同じ手段を同じ診療時間で同じ通院間隔で提供することがないように心がけ、最適で無駄の少ない医療を提供することがポイントだと思います。また患者さんに伝えたきりにならないように、しっかりと理解されているかどうかを重視するようにしています。


初期治療(バイオフィルムを取り除き、お口の状態を治療可能な状態に整えること)の際に気を付けていること患者さんに伝えていることがあれば教えてください。

 自分でスライドを作成し、患者さんがイメージしやすいように伝えるようにしています。


問診時に気をつけていることはございますか。

 できる限り細かく聞くようにしています。既往歴や家族歴、ケアグッズや歯磨きの習慣など患者さんの背景にも目を向けるようにしています。


仕事で“やりがい”を感じる時はどんな時でしょうか。

 私は成人の患者さんを担当しているため、患者さんが行動変容を起こして病気を改善した時とても嬉しく思います。また大人になってから定着した習慣を変えることはすごく難しいため、そこをサポートして健康に導けることに“やりがい”を感じます。


自分自身が歯科衛生士として成長したなと思う時、結果的に患者さんの行動変容に繋がってることが多いですよね。

 そうですね。行動変容でやりがいを感じる部分はたくさんあるのですが、衛生士担当制で個室診療のため、自分で考えて判断していく場面が多く知識不足を感じることも少なくありません。
 ただ、院長が定期的に勉強会を開いてくれるため、自信を持って指導できる機会は増えてきました。


原因を改善することが、健やかな未来への第一歩です

先程、糸井さんがスライドはご自分で作成すると仰っていましたが、元になるデータ等はあるのでしょうか。

 はい。当院ではエビデンスペースの勉強会を定期的に行っています。そこで最新の情報やその信頼性について学習します。勉強会で先生が話した内容を元に作成しており、患者さんに合わせてスライドの組み合わせを変更しています。さらに多くの患者さんに役立つスライドは、院内で共有するようにしています。


貴院の臨床基盤、またはそのスタイルを教えてください。

 原因の改善を第一に考えることだと思います。そしてリスクを考慮したうえで、患者指導やメインテナンス内容・間隔を設定することです。さらにエビデンスのある患者教育も行っています。


勤務先としてチョコレート歯科医院を選んだ理由は何でしょうか。

 衛生士学校3年時の最後の実習先が当院で、それまでの実習先との違いにもの凄い衝撃を受けました。
 診療室が個室であったこと、衛生士主体で診療を行うこと。徹底された患者教育の実践、それによりスタッフと患者さんとの信頼関係がしっかりと構築されていること。さらに滅菌環境や患者さんのプラークコントロール等、全てが一般歯科と呼ばれているところと違いました。


実際に就職してみて理想と現実とのギャップはありましたか。

 当初の希望通り、当院に就職して良かったと思っています。ただそう思えるようになったのは割と最近で、最初は何も考えていなかったため楽しみでワクワクした状態だったのですが、2年目3年目となるにつれ、すごく責任とプレッシャーを感じるようになっていきました。現在そこを乗り越えたかは分かりませんが、先生や先輩衛生士の日頃のサポートのお陰で、今ようやく理想に近づいてきているなと実感しています。


患者さんの健康に貢献できるように、衛生士主体の医院を選びました

衛生士学校での学びや思い出で印象に残っていることはありますか。

 私の通っていた専門学校は、歯科衛生士学科の他に看護・救命・介護など様々な学科がありました。実習の一環で他の学科の学生に対してメインテナンスやTBIを行った際、学科が違うためリアクションが新鮮なこともあり、自分の指導や患者教育で健康増進に貢献したいという気持ちが強くなり、衛生士主体の医院で働きたいと思うようになりました。


ホームケア指導で心掛けていることがあれば教えてください。

 なるべく引き算をするようにしています。自分自身の知識と気づきが増えてくるに従い、患者さんにとっては良かれと思って色々なことを言いたくなってしまいますが、かえって患者さんには散漫に伝わる傾向があるため、なるべく引き算をして最低限の内容で最大の効果が出ることを意識をしています。


メインテナンスにより健康感が高くなった患者さんについて、その後、審美歯科に移行される方もいらっしゃいますか。

 そこまで多くはないかと思います。やはり健康のために通われている方が多いですね。


成人担当ということで当然高齢者もいらっしゃるかと思いますが、全身の健康についてもケアされることもありますか。

 できることは限られていますが病気について調べたり、それが歯周病とどのような関連性があるのか把握してお伝えする様にしています。


予防効果を数値でお伝えすることで、患者さんとの目的意識の一致が強くなりました

貴院の所在地である栃木県鹿沼市の患者傾向の特徴を教えてください。

 遠方からお越しの方や、家族単位で通院される方が非常に多いため、地域性に準じた特徴というものはあまり感じません。


在籍(2018年)されてから今年(2024年)で6年目となりますが、現在の患者さんの口腔内状況や診療ニーズに変化はありましたか。

 医院全体として、エビデンスをもとにう蝕や歯周病の予防手段を効果の強さや応用のしやすさで選別し、個々のリスクに応じて優先順位をつけて指導するように意識しています。
 また期待される予防効果を数値として伝える風土も定着してきたことで、患者さんと目的意識が一致している実感が強くなりました。その結果、必ず実践して欲しいことを実践してくださる患者さんが多くなったことを実感しています。以前は、初期治療時に全ての患者さんに多くの情報を一律に教育していました。そこではフッ化物ペーストの指導を必ず行なっていましたが、時がたつと指導内容通りに実践されている方が思いのほか少なかった経験がありました。患者さんとの認識のズレが少なくなることで、相応の結果が得られるようになり、医院全体としてメンテ中に侵襲的な治療へ移行する数が減少しました。ニーズの変化はそれほど感じていませんが、予防意識の高い患者さんの中には矯正治療を希望される方がおられます。


歯科衛生士を生涯続けたいですか

 生涯続けたいです。女性特有のイベントが多くなると思いますが、両立可能な仕組みが整えられており、育児中のスタッフも多く在籍しています。バックアップ体制が整っており、勤務形態の変更にも極力応じてもらえますから、それらを利用しながら続けていきたいと考えています。


今後、歯科衛生士としてどのようなキャリアを思い描いていますでしょうか。

 何かにチャレンジしていくというよりも、う蝕や歯周病予防の知識を深めることや、歯周ポケットの深い複根歯への技術的アプローチを高めていくことを目標にしています。
 どの患者さんにも通り一辺倒の指導をするのではなく、それぞれの患者さんに最適なアプローチを行い、信頼関係を深め、多くのメンテナンス患者さんの健康を保証できる衛生士でありたいと思います。
 歯を守ることも大切ですが、人生には大切なことがたくさんあります。ライフスタイルや価値観に応じて無駄がなくしっかりと結果の出る医療を提供し、良い人生をサポートできる歯科衛生士になりたいです。