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湖池屋×ドクター対談02

湖池屋 青島氏とアップルデンタルセンター 畑先生対談

患者さんとの信頼関係の築き方について

青島氏
患者さんと医院の信頼関係というのはどのように築いてらっしゃるのでしょうか。
といいますのは私達も顧客と直接やりとりをしていますので、個人個人との信頼関係を築くことは非常に大切です。しかし、『予防歯科』も『乳酸菌LS1』も薬のように、すぐに効果を実感できるものではありません。このような中で、予防歯科に携わる歯科医院では、どのように信頼関係を築いていかれているのかお聞かせください。

畑先生
歯周病治療を成功させるにあたり患者さんが「その気になる」というのはもっとも大切な要素だと思います。ところが歯周病というものはなかなか患者さんにとって認知しづらい疾病といえます。そこで歯科医師・歯科衛生士は歯周病の病因論を基に治療の見通しを伝えていくことが肝要といえます。

患者さんに歯周病の説明する際、標準的な治療をしてあなたの歯周病はどう反応するのかを観察していきますよということをお伝えしています。その反応の程度が専門医を紹介したり、後のメインテナンスプログラムを考える材料となるわけです。つまり歯周病の特徴を理解してもらうのです。

かつては歯石やプラークだけが歯周病の原因であると考えられてきました。現在の潮流は個々の素質や条件により影響を受ける内因性疾患と言われています。それはひたすら歯石をとっても、プラークコントロールばかりをしてもうまく治らない事例があったということです。歯周病の原因を考えていく際、細菌と宿主(自分の体)とのやり取りがどうなのか、生活習慣などの環境的な要因、遺伝的な要因がどう関連しているのかを紐解いていく医療側と患者側との共同作業が必要となります。

まず最初に患者さんの生活全般の理解をすることが第一歩になりますが患者さんに信頼されなければ、患者さんは話してくれません。信頼感・・・患者さんの話を真摯に聞くことや、患者さんに伝わる説明をすること、痛い施術をしない、待たせない、医院が清潔であるという言わばあたりまえのことなんですけどそこが徹底されてないと100年の恋も冷めてしまいますからスタッフ全員が大切にしております。

口の中で活きる乳酸菌LS1について

口の中で活きる乳酸菌LS1について

青島氏
『乳酸菌LS1』を現在、畑先生の医院でも取り扱っていただいています。患者さんの評価などから、貴院ではLS1を取り扱っていただいてる理由を教えてください。

畑先生
アップルデンタルセンターに2015年から3年間定期的にメインテナンスに来ている患者さんについて調査してみました。初診時に6㎜以上のポケットを持つ59名を対象としました。初診時の残存歯数は平均24.88本でした。この59名の患者さん方は歯周初期治療を行った時期も様々です。メインテナンスを始める2015年以前も定期的なクリーニングに来ていた方も含まれます。共通点としては2012年から2014年にかけてメディカルトリートメントモデルを行い口腔内の全体の写真および全顎X線写真撮影、唾液検査を行い改めて現状の確認とう蝕・歯周病のリスクを患者さんと共有しました。そのうえで必要に応じてOHI(オーラルヘルスインストラクション)スケーリング・ルートプレーニングといった再度の歯周病の初期治療を行いました。

図1:6㎜以上の場所の存在率(%)と人数を比較

初診時(2004-2014年) 最新(2017年)
6㎜以上のポケット存在率% 7.3% 1.7%
6㎜以上のポケットを持つ者 59名 26名

図2:年齢(初診時)層別の6㎜以上の歯周ポケットの存在率を比較

初診時(2004-2014年) 最新(2017年)
20-34歳(3名) 9.2% 1.4%
35-44歳(4名) 11.9% 4.3%
45-54歳(19名) 6.3% 1.1%
55-64歳(21名) 5.6% 1.3%
65歳以上(12名) 9.6% 2.4%

結果をみると、どの年代も初診時に比べて低く抑えられています。初診時の年齢層別でみると年を重ねても十分反応している方もいますが、一部に反応が悪い方もいるということがわかります。

このように反応が悪いときの次の一手としてプロバイオティクスと言いたいところですが、ややもすれば乳酸菌は歯周病に効く万能サプリだと思われるかもしれません。例えばオーラルフィジシャン医院において、標準的な治療を行った後のメインテナンス患者さんを対象にプロバイオティクスを試した群とそうでない群で比較したエビデンスをつくってみたらいかがでしょう?プロバイオティクスに関するエビデンスを「つくり」「伝える」ことで、長くメインテナンスにいらっしゃり信頼関係が築けている患者さんであれば使ってみようとなるでしょう。患者さんがその気になった時にそこにあるもの、ポテトチップスとプロバイオティクス、という感じです。

予防医療の難しさ

青島氏
ありがとうございます。
最後に、これは質問ではないのですが、約2年、畑先生とご一緒させていただいた中で難しいと感じていることは、ポテトチップスは、食べたらおいしい、お腹がふくれたっていう、すぐ反応があるわけです。医療の世界でいえば内科であれば熱が下がったとか、外科であれば骨折が治ったとか、比較的早く結果が出ます。
しかし、『予防歯科』とか、弊社の『乳酸菌LS1』とか『プロバイオティクス』というのは1回で劇的に何か体に変化を感じることはなく、未来に向かって健康でいる時間を築いていくものです。そのことを、先生方にとっては患者さん、我々にとってみれば消費者、顧客に、伝えていくことの難しさを感じています。
しかし、そのことがいかに社会に貢献するのかということを少しは私達もオーラルフィジシャンの先生方のアプローチからわかってきましたし、伝わりづらいものを理解してもらうということが一朝一夕では叶わないことを実感しました。その中で今日もお聞きしましたけれど、どのように私たちが寄り添っていくかということについて、今後もぜひ畑先生にご指導いただければと思っております。