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第3回「令和時代の予防歯科」~東北地区~

富士通健保が東北地区OP歯科医院と連携した社員歯科健診を開始

予防歯科を企業と連携して推進するプロジェクト、富士通 社員向け健康セミナー 第3回「令和時代の予防歯科」が2020年1月30日に富士通株式会社 東北支社で行われました。
後日、富士通健保組合の伊藤常務理事、ヘルスケアグループの出野課長代理、大越様に富士通社員の健康管理と予防歯科への取り組みについてのインタビューを行いました。第3回「令和時代の予防歯科」レポートの前にまずは「富士通健保組合インタビュー」からご高覧ください。

富士通健保組合インタビュー

2020.2.14
於:富士通健保組合(武蔵小杉ユニオンビル)

富士通株式会社が実施している「OP歯科医院と連携した歯科健診の取り組み」について、OP歯科医院と生活者の方々に広く知っていただきたいという思いと今後の展開について富士通健保組合の方々に聞いてみました。

参加者:
富士通健保組合 常務理事 伊藤様
富士通健保組合 ヘルスケアグループ 出野様、大越様
富士通株式会社 第二ヘルスケアソリューション事業本部 大浦様
株式会社ベストライフ・プロモーション 飯島様
CG(コミュニケーション・ギア) 伊藤

<伊藤常務理事(富士通健保組合)>

CG 伊藤(以下CG):
はじめに、富士通健保組合の社員の健康管理に対する取り組みについて聞かせてください。

富士通健保組合 常務理事 伊藤様(以下、伊藤常務理事):
現在、富士通グループでは会社的に「働き方改革」の取り組みを進めています。当然ながら「働き方改革」の担い手は働き手である社員です。その社員が十分なパフォーマンスを発揮するためには健康が大変大切です。そのため富士通グループは「健康経営」にも力を入れています。
「働き方改革」「健康経営」の2点が車の両輪であり、もう1点は多様性を尊重する「ダイバーシティ」を重要視しています。「働き方改革」「健康経営」「ダイバーシティ」を3つの輪にして2017年8月に「グループ健康宣言」として健康への取り組みを発信しました。

富士通の健康疾病課題は「生活習慣病」「がん」「メンタルヘルス疾患」と認識しています。やはり平均年齢が高くなると生活習慣に起因する疾病や、男女を問わず、がんに罹患する社員、ご家族も多くなってきます。
富士通はICTソリューション企業また、DX企業を目指している中で、メンタルヘルス疾患も大きな課題であり、このテーマにも取り組んでいます。

*DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念。

CG:
富士通の健康課題の一つ「生活習慣病」には、口腔疾患が影響しているといわれています。社員の健康管理のためオーラルフィジシャン歯科医院(以後OP歯科医院)と連携することで、期待する点、今後の展望を教えてください。

伊藤常務理事:
現在、25歳~40歳までの5歳刻みで歯科健診の費用を補助しています。この取り組みは約25年前から開始し、2013年に現制度となりました。
この目的は若いうちから正しい歯の磨き方とブラッシング習慣を身につけることでしたが、ここ1~2年は予防歯科が全身に与える健康への影響に注目するようになり、予防歯科の取り組みとその進め方について検討してきました。
課題としては、富士通の事業所が全国にあるため健康保険組合としては機会を均等に提供しなければいけないため、全国のOP歯科医院の先生方と連携しながらこの取り組みを進めていきたいと思っています。
先般(2020/01/30)、東北支社でOP歯科医院の先生と歯科衛生士さんを講師に招き社員セミナーを開催しました。まずは熊谷崇先生(日吉歯科診療所)がいらっしゃる東北地方から体制を整え、希望者へのOP歯科医院での歯科健診の補助を開始しました。

CG:
25年前からホームケアの定着を目的として開始された5歳刻みの歯科健診は集合型ですか?

伊藤常務理事:
はい。従来は、定期健康診断とセットで健康診断が終わった後に歯科健診も行う形が中心でしたが、OP歯科医院との連携歯科健診では、会場集合型から社員個々がOP歯科医院に通院する形にしました。

CG:
OP歯科医院での健診に対する期待を教えてください。

伊藤常務理事:
現在行っている集合型健診(5歳刻み)の目的は正しいブラッシング方法とその習慣化でしたが、OP歯科医院での歯科健診では従来の目的に加え社員への予防に対する意識改革と動機付けをOP歯科の先生に時間をかけてしていただくことが狙いです。

CG:
従来の歯科健診とOP歯科医院での健診の大きな違いは、むし歯を診る視点にあります。歯に穴が開く以前の初期のむし歯の状況を早期に見つけることで、歯を無為に削らなく済む点が、OP歯科医院での健診の特徴の一つになると思います。
動機付けという話がありましたが、歯科健診を受けた患者さんに動機付けができるような生活者目線の資料づくりを富士通ヘルスケア事業本部とOP歯科で現在進めています。
現在の自分の歯が何本あって、治療した歯が何本で、健康な歯が何本なのかを知らない方が多いと思います。まず、「現在」の自分の歯の状況を理解してもらい、そしてこのままだと「将来」の自分の歯が何本残るのか、そういったことが直感的に理解できる口腔内資料を健診後のOP歯科医院でのメインテナンスで提供する予定でいます。

アップルデンタルセンターが患者さんに提供している資料(東北支社セミナーより)

伊藤常務理事:
富士通には社員個人個人の健康情報を管理するシステムがあって現在リニューアルを検討しており、そのシステムの中に口腔のデータを追加したいと考えています。
システム内では様々な健康情報を発信しているのですが、健診の結果が出た時以外はほとんど閲覧されません。そのため、リニューアルを機に中身と発信方法を工夫し、その中で口腔のデータの追加を検討したいと思っています。
社員に口腔データを提供する目的は予防に対する意識改革と動機付けです。歯科を通じて予防に対して興味・関心を高めてもらい、健康な方には現在の健康な状態を維持しようと努力していただき、健康でない方には健康に近づけるように努力していただきたいと思っています。
歯のことで苦労した世代が親になって、自分の子には同じ思いをさせたくないという親の影響でむし歯が少ない子が増えたと聞きました。その子たちが社会に出て働きはじめた時に、健康な状態を維持していきたいと思ってもらえるようなシステムを作っていきたいと思います。

富士通株式会社 第二ヘルスケアソリューション事業本部 大浦様:
確かに、歯科医師の方々に話を伺うとむし歯で来院される患者は年々減少傾向にあると聞いています。そういった中で今後、歯科医院としての在り方は、治療中心から予防中心へと変化して行くことは必然と思い、OP歯科医院との予防歯科プロジェクトを進めています。

CG:
12歳児のむし歯本数は全国平均で0.82本と非常に少なくなっています。そのためむし歯が多い子どもから家庭での育児放棄がわかるケースさえもでてきています。
また、OP歯科医院でのレントゲン撮影は口腔内を2~3歯ごとのブロックに分けて10数枚を短時間で撮影します。そのため見落とし易い歯間部の初期むし歯(う蝕)を確認することができます。また、副次的効果として口腔がんを発見する確率も高いと聞いています。一般的歯科医院では、技術や時間の問題から、パノラマ撮影で口腔内全体を1枚の画像で診断する場合が多いため、初期のむし歯を見逃す場合も出てきます。パノラマ撮影に比べて手間はかかりますが、10数枚のデンタルレントゲン写真から得られる情報の価値は、真剣に予防歯科に取り組んでいる医院では分かっているから実施しているのです。
良いことばかりではありません。OP歯科医院での歯科健診の課題として、日本各地にOP歯科医院のような体制の予防歯科医院が少ないために、全社員の方へ受診機会が均等でないことが挙げられます。こういう状況では、企業との連携で本来の予防歯科が社会に定着していかないため、今後各地域にOP歯科医院を増やしていく活動を業種の壁を越えて富士通さんはじめ企業の方と活発にしていく必要があります。

レントゲン 18枚法

伊藤常務理事:
特に富士通は京浜地区でおよそ6割の社員が働いておりますので、東京、神奈川、千葉、埼玉にOP歯科医院が増えることを期待しています。

CG:
はい、わかりました。ICT企業の富士通さんがこれだけ協力的ですから、首都圏のOP歯科医院にも尽力してもらいます。
伊藤常務理事への最後の質問になりますが、全国の健保組合年間医療費で歯科(治療費)が4750億円で1位(2位はがん等の3875億円)と伺いましたが、OP歯科医院との連携を考えられたのは、歯科の治療費を抑制するという狙いもあったからでしょうか?

伊藤常務理事:
それもありますが、第一には予防歯科を通じて全身の健康づくりを提供することです。若い世代のむし歯は減少傾向にあるため、その後の社会生活においても口腔内環境を維持できるような機会を提供しつつ、50~60代は過去を反省し今よりも悪くならないように予防のために歯科を受診する動機付けができればと思っています。

CG:
学校歯科保健活動や社会の公衆衛生の向上から、小学生の頃のむし歯は年々減ってきていますが、思春期の多感の時期は友人間で過ごす時間や塾や部活などの時間が優先されて、段々と歯科医院から遠ざかっていき、歯の予防意識は希薄になっていく傾向があります。
その延長線上で大学を卒業して社会人として数年経った25歳の若い社員、その世代から歯科健診の費用を補助することで、再び予防歯科の習慣付けを試みる富士通健保組合の取り組みは正鵠を得ていると思います。


<出野課長代理・大越様(富士通株式会社 富士通健保組合ヘルスケアグループ)>

CG:
続いて、富士通健保組合ヘルスケアグループの出野さんに予防歯科との出会いから話を聞かせてください。

富士通健保組合ヘルスケアグループ 課長代理 出野様(以下、出野課長代理):
以前から歯科に関する取り組みを行っていましたが、社会や企業で「健康経営」の機運が高まるなか、どのように予防歯科の取り組みを進めるのがよいかを模索していました。
歯科健診の受診率は全体の50%(健康診断は99.9%)でしたので課題意識がありました。その様な状況で第二ヘルスケア事業本部の武久氏・大浦氏と出会い、昨年6月に蒲田で開催された「第1回 富士通社員向け健康セミナー」を受講する機会をいただきました。
実際に畑先生の話をお聞きして、目からウロコが落ち、予防歯科の重要性を再認識しました。今後、予防歯科を通じた健康への取り組みをどのように行っていくか、現在大浦氏にご協力いただいております。

CG:
予防歯科の推進は「健康経営」の取り組みの一環でしょうか?

出野課長代理:
富士通グループ全体の健康経営への取り組みは、富士通健康経営事務局(労政部、健康推進本部、富士通健保)にて、各種健康施策を企画・推進しています。
活動の一例として、富士通グループ内で健康経営ビジネスに関わる部署が半年に1度集まり情報交換をする「健康経営連携会議」を開催しており、そこでOP歯科医院との連携についても関係者へ共有する予定です。

CG:
健康診断の受診率が99.9%に対して、歯科健診の受診率が50%であることについてどのように考えていますか。

出野課長代理:
グループ全体で見ると50%ですが、個々の事業所で見ると幅があります。大規模の事業所は集団健診ができるため受診率が高いのですが、小規模の事業所は集団健診ができないので受診率が低くなる傾向にあります。
歯科健診を受けるように一人ひとりに働きかけることが難しいため、個人レベルでも歯科健診に行けるような仕組み(動線)づくりができれば受診率が上がるのではと思います。
しかし、受診率を上げることが最終的な目的ではなく、「予防」に対する行動・意識を理解してもらい健康リテラシーを上げる取り組みを継続していくことが大切だと思いました。
社員セミナーもその一環になります。
話は逸れるかもしまれませんが、今年の1月に東大病院の中川恵一先生をお招きし、富士通グループ社員を対象に「がん教育」セミナーを開催しました。
中川先生は、「がん」はほんの少しの知識を持って行動に移すだけで、その先の人生を大きく変えられる病気と仰っていましたが、それは「がん」だけではなく歯科にも通ずると思いました。
東北支社セミナーでも説明しましたが、富士通の社員データによると40代で歯周病がある方は生活習慣病(狭心症・心筋梗塞・動脈硬化)の罹患率が約3倍になっていることがわかります。若い頃からのメインテナンスが将来の運命の分かれ道となっているので、予防の知識やリテラシーを行動にどうつなげていくかが大事だと思います。

CG:
東北支社セミナーの時に伊藤智恵先生(伊藤矯正歯科クリニック)が話していた、歯周病の炎症を広げてみると手のひら一面が炎症しているのと同じことで、手のひらサイズの炎症を起こせば、全身に影響するのは当り前のこととお話していました。普段意識はしていませんが、少し表現を変えることで生活者の琴線に触れ、予防歯科の動機付けが可能になるわけです。全身に与える歯科の影響を生活者に伝えて広めていくためには、見せ方・伝え方をどう工夫するかが予防歯科の課題です。そのために歯科医師が考えた独りよがりな患者資料から一歩踏み出し、富士通第二ヘルスケアの方々とICTを活用して生活者の行動を変える患者資料づくりにOP歯科医院は取り組んでいます。

出野課長代理:
そうですね。なかなか自分ごととして捉えることができないですから、是非お願いいたします。

CG:
集団健診をしているとのことですが、大規模事業所の東北支社の受診率はどうでしょうか?

富士通健保組合 ヘルスケアグループ 大越様(以下、大越様):
現在の受診率は、高いとは言えない状況です。
OP歯科医院との連携を東北支社から開始したのは、山形に熊谷崇先生(日吉歯科診療所)が居られることもありますが、もう一つのテーマは健診率の改善があります。
東北支社をはじめ、全国の総務(健康推進部門)では、社員が定期健診を受診した後の事後措置や、長時間残業者の面談、メンタル疾患への対応など、大変多岐にわたる業務を日常的に対応されていますので、歯科に対する意識は持ちつつも、十分な対応がとれない現状もあると思います。

CG:
歯科健診の受診率の低さは、歯科医院側の予防歯科への取り組み方にも問題があると思います。
歯科医院が予防歯科の取り組みに本来あるべき価値を見出していません。その一つの理由としては、経営的な側面があります。現在は保険点数が修復治療中心の点数配分となっていますので、どうしても修復治療ありきに傾いてしまいます。
そのため歯科医師がむし歯・歯周病を感染症と捉える以前に、外科的な修復で解決する視点から抜け出し切れないことが、予防歯科の本質が患者さんに伝わらない一因でもあります。

出野課長代理:
健康推進部門の取り組みにOP歯科医院との連携を加えることで、社員にとってより価値のある環境を整備していきたいと思います。
東北地区を皮切りにこのようなスキームを全国に作っていきたいと思います。

CG:
そのキーとなるのはクラウドを介して患者さんに渡すデータが重要になると思います。健診結果を「自分ゴト」として捉えるデータが提供できるようになれば、歯科医院と生活者の両方にメリットがありますので、今後のヘルスケア事業部門に期待しています。

出野課長代理:
富士通では入社後の健康診断のデータを健康情報システムで全て管理しています。そのシステムに歯科の情報も連携して経年管理できれば社員の健康意識も高まり、その結果受診率の向上も期待できると思います。

CG:
実際にこうしてお話を伺ってみると、予防歯科の定着は生活者のリテラシーを向上させる患者教育がキーになってくると思います。先般行われた社員向けの予防歯科セミナーは継続して行くのでしょうか?

出野課長代理:
OP歯科医院との連携について最初は歯科との動線を作ればいいと思っていましたが、畑先生(アップルデンタルセンター)との打合せ時に「動線を作るだけでは意味がなく意識付けが大事」と伺いました。
やはり患者教育を行わないと予防目的で歯科医院には行かないことがわかりましたので、予防歯科セミナーのような取り組みをもっと広くおこなっていくことが重要だと思います。

CG:
以前、富士通の保健師の方に「健康増進セミナー」で歯科を扱うと人気があると聞きました。

出野課長代理:
蒲田は非常に集まりが良かったです。東北では2017年に熊谷崇先生(日吉歯科診療所)にお越しいただき多くの社員が受講しました。しかし参加者からは「知識として話は理解したが実際にどう行動すればいいのか分からない」という声もありました。今回の東北支社セミナーでは、次の行動もイメージしやすく受講者の満足度が非常に高かったです。
コミュニケーション・ギア(本サイト)を通じて富士通健保組合がこうして予防歯科へ取り組んでいるということをOP歯科医院の先生方には、ぜひ知ってほしいと思います。そしてOP歯科医院がどんどん増えることを期待しております。

CG:
実際に、予防歯科セミナーからOP歯科医院での歯科健診、そしてOP歯科医院でのメインテナンスへの動線が出来たのは東北地域が初めてになりますね。1年後の東北支社の受診率の動向は楽しみです。東北支社での次回セミナー開催は?

大越様:
今年度の開催はありませんが、伊藤智恵先生(伊藤矯正歯科クリニック)をはじめ地元の先生方に講師になっていただき、継続していければと思っています。

CG:
ぜひお願いします。また、OP歯科医院での歯科健診から歯科メインテナンスへの動線が、東北地区からさらに広がる取り組みはされていますか?

出野課長代理:
富士通の子会社であるベストライフ・プロモーション(以下BLP)に、富士通健保組合の事業パートナーとして2008年からデータ分析や健診医療機関の開拓など協力いただいております。既に内科、婦人科、配偶者などの家族健診を業務委託しております。BLPが全国約700の内科系の健診機関と契約しており、契約健診機関を富士通健保組合の加入者に紹介するという仕組みが既にありますので、この仕組みを歯科健診の全国展開に流用したいと考えています。


<飯島様(株式会社ベストライフ・プロモーション)>

CG:
予防歯科への参画にあたりBLPの展望や今後の取り組みについて教えてください。

(株)ベストライフ・プロモーション 飯島様(以下、飯島様):
今回、東北エリアから開始した歯科健診制度は今後富士通グループ内で横展開していくと思いますが、BLPとしては歯科健診と予防歯科をセットにして他の健保組合にもアプローチしていきたいと思っています。

CG:
富士通の社員の方に対して内科健診等の受診の動機付けや受け入れをされていると聞いています。歯科健診についても、富士通社員の方へ浸透させていくためにはBLPの協力が必要不可欠です。大企業の社員一人ひとりに浸透させていくプロモーションは大変労力がいると思いますが、すべてBLPが行っているのでしょうか?

飯島様:
プロモーションは、富士通健保組合がメインとして行っていますが、一緒に企画をして実際に情報を社員の方に流すオペレーションをBLPが行っています。

CG:
OP歯科医院から聞いた話ですが、富士通社員の方でも歯科メインテナンス費用補助制度を知らずに来院されて、受付の方が保険証で富士通の方と気付いて、富士通の社員の方に費用補助制度の説明をすることもあるようです。

出野課長代理:
費用補助制度について社員が直接知ることができるような仕組みになっていないのが現状です。先日のセミナーではその制度について私が話をしましたが、実際のアナウンスの流れは、富士通健保組合から各事業所の人事総務部へこういう制度があるので社員のためにやってくださいとお願いする流れになります。

CG:
最後は社員の自主性に任せるわけですね。

出野課長代理:
健保組合からアナウンスできるのが事業所に対してまでで、どの様に社員に伝えるかは各事業所に任せるしかないのが実情です。そこはBLPも同様になります。
OP歯科医院に関しては、富士通健保組合がBLPを経由して直で契約をしておりますので、直接社員の方にアナウンスできます。

CG:
BLPは、富士通以外の企業とも契約をされているようですが、他の企業で予防歯科への取り組みを行っているところはありますか?

飯島様:
歯科健診の費用補助は色々な企業・健保で実施されていると思いますが、富士通のようにOP歯科医院の紹介を行なっているような事例はまだ少ないのではないでしょうか。
一般的な歯科健診は単なる作業になっていて受診した側も受けたら終わりでその後の予防につながっていないのが現状だと思います。
今回、宮城県の3医院様と契約する際にお話を伺って、予防歯科に対する熱い思いが伝わってきました。全国にOP歯科医院の数が増えることを期待しています。

CG:
企業の方に話を聞くたびに、OP歯科医院の数が少ないという意見が噴出します。企業の方の意見が歯科医院に伝わる情報発信をCG(本サイト)からさらに活発に行っていきます。
本日は、ありがとうございました。

(文責・CG伊藤)


予防歯科を社会に推進する富士通
社員向け健康セミナー第3回「令和時代の予防歯科」レポート

開催内容

2020年1月30日(木)

18:00-18:05
関係者ご挨拶
【伊藤 均 常務理事(富士通健保組合)】
【國分 出 本部長(富士通株式会社 第二ヘルスケアソリューション事業本部)】
18:05-18:30
予防歯科について概論
【畑 慎太郎先生(東京都西東京市/アップルデンタルセンター 院長)】
18:30-18:55
世代別のメインテナンス
【花岡 佑み子さん(東京都西東京市/アップルデンタルセンター 歯科衛生士)】
18:55-19:00
歯科健診費用補助制度について
【出野 正敏 課長代理(富士通健保組合 ヘルスケアグループ)】
19:00-
契約OP歯科医院ご紹介(仙台地区)
【伊藤 智恵先生(伊藤矯正歯科クリニック)】
【齋藤 善広先生、齋藤 みずほ先生(くにみ野さいとう歯科医院)】

会場

  • 富士通株式会社 東北支社(野村不動産仙台青葉通ビル)

対象

  • 東北地区 富士通グループ社員

参加人数

  • 90名(うちWEB配信視聴者23名)

講演ダイジェスト

関係者ご挨拶

関係者ご挨拶

伊藤 均 常務理事(富士通健保組合)

富士通グループとしてこれまで様々な健康の取り組みを行ってきましたが、会社が変化していく中でやはり社員と家族の健康が大事であると思っています。そこで2017年に「富士通グループ健康宣言」を定め色々な取り組を始めました。
運動習慣づくりのウォーキングイベントやがん対策についても展開を始めているところです。これまで、歯については25歳から5歳刻みの方を対象に歯科健診のタイミングでブラッシング指導等を行ってきました。
予防歯科が与える全身への影響が非常に大きいため、グループ全体で取り組みを進められないかと模索しています。東北地域はOP歯科医院も充実しており非常にキーとなることから、本日のセミナーをきっかけに準備を始めていきたいと考えています。

國分 出 本部長(富士通株式会社 第二ヘルスケアソリューション事業本部)

今年度から就任された時田社長は富士通をICTソリューション企業からDX企業に進化させたいと話しています。その中で私たちヘルスケアソリューションが求めるDXを考えると、今までのパッケージソリューションやクラウドサービスから「健康長寿社会づくりに貢献する」ことを目標と考えています。
その様な想いを込めて2019年2月にヘルスケアパーソナルサービスプラットホームを立ち上げメインのアプリケーションとして予防歯科を展開しています。
予防歯科は「歯を毎日磨く・定期的にメインナンスを受ける」ことで健康が維持できるうえ全身疾患の予防に繋がり、医療費の抑制に繋がる素晴らしい取り組みと考えています。
是非、同僚やご家族にも今日のセミナーの内容を広めていただければと思います。

「今からでも間に合います」畑 慎太郎先生

今からでも間に合います

畑 慎太郎先生(東京都西東京市/アップルデンタルセンター 院長)

むし歯も歯周病も予防できる病気です

本日は、歯を失くさない人生を送るには何をすればいいのかについてお話をさせていただきます。

永久歯は親知らずを除いて28本存在します。皆さんには歯を1本も失わず、生涯28本の歯で生活して欲しいと願っていますが、統計では40歳から徐々に歯の本数が減り80歳で約15本になっていることがわかります。
8020運動といって、80歳で歯が20本あれば良いという考えがありますが、本当に8本も失ってしまってよいのでしょうか。
例え8020は達成できても、寿命が延びている分100歳で0本となる可能性があります。この年齢と共に歯を失っていく構造を根本的に変えていかなければなりません。

日本では、50~80歳の30年間で喪失する歯の本数はなんと11本です。
歯を喪失するほとんどの原因はむし歯と歯周病ですが、加齢によるものではありません。スウェーデンの同年齢のデータでは喪失する歯の本数はわずか1.8本です。スウェーデンではむし歯と歯周病は非常に稀な病気あることがこの数字からわかります。
つまり、むし歯・歯周病にならなければ歯は残せるということです。そして、むし歯も歯周病もどちらも予防(コントロール・マネージメント)ができる病気だということです。
それでは、日本とスウェーデンでは何が違うのでしょうか?
スウェーデンでは、むし歯と歯周病の原因除去療法を徹底的に行ってメインテナンスを続けています。一方、日本では削って詰める治療が中心となっています。悪くなったら抜く、削って詰める、それを痛くなく早くやるのが良い歯医者だと思っている人がたくさんいらっしゃいますが、歯科医院に通いながら歯を失っていく、果たしてそれが本当に良い歯医者だと言えるのでしょうか。
先に述べた50~80歳の30年間で11本もの歯を失っている原因は、早く削って詰めるこの1本のむし歯治療が起爆剤となっていると言っても決して過言ではありません。

治療を繰り返すと歯は死んでしまう

歯に黒い部分ができるとむし歯が広がっているかもしれないといって削って銀歯を詰められてしまいますが果たして本当にむし歯は広がっているのでしょうか?
実は「隠れむし歯」は15%という調査結果があります。残りの85%はむし歯は広がっていないのです。しかし、従来の日本式の治療では黒い部分を念のためといって削ってしまいますが、必ずしも削らなければいけないというわけではありません。
削って詰めた銀歯の寿命は約10年で、そのトラブルの理由の半数は削って詰めた脇からの二次う蝕(むし歯)だといわれています。
最初は少し削って詰めたつもりでも、そのうち二次う蝕となり、削って詰めてを繰り返しているうちに結局歯を抜くことになってしまう。つまり治療を繰り返すと歯は死んでしまうのです。

では、むし歯ができたら治療を受けてはいけないのでしょうか?
そんなことはありません。治療は受けて良いのです。ただし、再発防止策を立てることが必須となります。まずは予防的な取り組みを行ってから、上手に削るという順番が大切になってきますが、その前になぜむし歯になるのかを皆さんと一緒に考えたいと思います。

なぜむし歯になると歯に穴があくの?

それでは皆さんに質問です。なぜむし歯になると歯に穴があいてしまうのでしょうか?
答えは、歯の表面からミネラル分(カルシウムやリンなど)が溶けだして(う蝕)、知らず知らずのうちにもろくなってしまった箇所で硬いものを噛んだりして強い衝撃を与えた結果穴があいて(う窩)しまいます。つまり、むし歯になったから穴があいたのではなく、穴があく前からむし歯は始まっていたのです。

ですから、「穴があいている=むし歯」「穴があいていない=むし歯ではない」と判断することは、むし歯の予備軍を見落としていることになります。
目で見てもわからないむし歯が存在していると思ってください。それは歯科健診でも見つけることができません。その方がむし歯にかかりやすいかどうかを判断するリスク検査をおこなってはじめてわかります。
「むし歯だから削りましょう」「少し黒くなっていますが様子をみましょう」この2択ではなく、リスク検査でわかったことを患者さんに教え、自発的に歯の健康を保つ意識に導くことが大切です。つまり歯科医院での健康教育と情報提供が患者さんの予防歯科の実践につながっていき、歯科医院と患者さんが協力関係になること こそがこれからの歯科医療における“Shaping tomorrow with you”(※富士通社のコーポレートメッセージ)です。

むし歯にならないために気を付けること

プラークコントロール
アンケート結果によると日本人の99%が毎日歯ブラシをしていると回答していますが、当院に来院する99%の患者さんは磨き残しがあります。
単に歯ブラシを使うという行為ではなく、効果的なプラークコントロールをするという意識が大切です。プラークを除去するには自身の歯にあう歯ブラシと歯間ブラシを使用することが効果的です。
食習慣
甘いものに限らず食事をすると歯からミネラル分が流出します。その現象を脱灰といいます。そして、脱灰を自身の唾液で中和し再生させることを再石灰化といいます。
私たちの口の中では、脱灰と再石灰化が繰り返されています。
脱灰には個人差がありますが、1日3回食事をする人の脱灰時間は短く、間食する回数が多い人は脱灰時間が長くなりむし歯のリスクが高くなります。
また、就寝直前に食べてしまうと睡眠中は唾液の分泌量が減るので脱灰時間が長くなります。
そのため当院では3日間で食べたものと時間について記録を書いててもらうようにしています。
フッ化物
フッ化物は歯の歯質を強くする働きがありますので、脱灰の時間が短くなり早く再石灰化するようになります。
フッ化物は歯磨粉に含まれていますので、できるだけ歯を磨いた後に歯の表面にフッ化物が持続的に残っている時間をつくることが大切です。

むし歯ができる原因は1つではありません。複数の原因が重なった時にむし歯は発症します。その複数の原因の中の主犯格を叩くことが重要です。
複数ある原因を簡単に「細菌・食事・感受性」と3つに分けて考えると、

  • 細菌:多くの磨き残し
  • 食事:頻繁な糖質の摂取
  • 感受性:歯を守る力が弱い

このように表すことができます。そして、この3つが揃っているとむし歯が発症します。
ですから、普段から頻繁に糖質を摂取する人は、間食を減らすことで食事によるリスクを軽減できますし、磨き残しが多い人は歯磨きを頑張れば細菌によるリスクを軽減できます。
個人個人でウィークポイントは違いますので、信頼できる歯科医院で自分のウィークポイントは何なのかを分析して見つけてもらいましょう。

むし歯は直すのではなく治す

通常のむし歯治療は「治療(削って詰める)VS予防(プラークコントロール・食習慣・フッ化物)」の二軸で考えがちですが、「予防してから削って詰める治療をする」この順番で治療を行うことが本来のむし歯治療になります。
いきなり削って詰めるのはなく、むし歯の進行を止めるにはどの要因に力を入れるべきか計画することが大切です。むし歯の進行が止まると削る場所も少なくてすみますし、削る場所が少なくなれば2次う蝕も少なくなります。
結果的に歯の喪失を防ぐことができるのです。

歯周病こそ早期発見・早期治療が大事

次に歯周病についてお話します。
歯周病こそ早期発見・早期治療が大事です。統計によると日本人の40代のおよそ40%、70代ではおよそ60%の人が歯周病になっています。
自分では歯周病になっていないと皆さん思っているかもしれませんが、実はむし歯治療を受けながら歯周病になっている人がたくさんいます。それはなぜかというと安易なむし歯治療でかぶせ物をした歯の段差に細菌がたまりむし歯から歯周病を生みだしているからです。
歯周病もひどくなる前にきちんと治療すれば引き締まったきれいな歯ぐきを取り戻すことができます。ですから皆さんも毎日鏡でチェックして強い歯ぐきにする努力をしましょう。
むし歯・歯周病にならなければ歯を抜く必要はないのですから。

かしこい歯科医院のかかり方

「悪くなってから嫌々受診」するのではなく、今からでも遅くないので「メインテナンス」目的で歯科医院に通いましょう。そうすれば「KEEP28」(1本も歯を失わず生涯自分の歯で健康に生活すること)を達成することができます。
そのためには歯科健診の結果を自分ゴトとして捉え、メインテナンス目的で歯科医院に通いましょう。そうすれば、日本もスウェーデンのようにほとんど歯を失うことがなくなります。
「今からでも間に合います」是非メインテナンスを受けましょう。

「年代別メインテナンスとホームケアの重要性」花岡 佑み子さん

年代別メインテナンスとホームケアの重要性

花岡 佑み子さん(東京都西東京市/アップルデンタルセンター 歯科衛生士)

当院ではMTMに則り診療を行っています。そのためすぐに削って詰めたりせず、初診時に全ての方を対象に検査を行っています。
そして検査で見つかった問題点の治療を行いメインテナンスに移行します。

初診検査・問診について
問診票では患者さんご自身に主訴・来院動機を記入していただくだけでなく、チェアサイドで歯科へのイメージ・歯科での体験についてもインタビューを行い患者に寄り添うよう心掛けています。
院長(畑先生)の話にもあった通りむし歯・歯周病は複数の原因により発症します。個々で原因は違うため検査を行い対策を立てます。
【検査内容】
  • カメラで口腔内写真を12枚撮影
  • レントゲンでは2~3歯毎に全部で18枚撮影
  • 唾液検査を行いむし歯のかかりやすさを測定
  • 歯周ポケットの検査を行い「磨き残し・出血・深いポケット」を調べる
以上を考慮し個々に合わせたプログラムを作成します。

年代別メインテナンスのポイント

妊娠~1歳半頃
何歳から歯科に通えばいいですか?という質問をよくされますが、通う時期は妊婦された時から歯科医院に通うことで歯の守り方を学べるため出産前から通うことを推奨しています。
むし歯菌は親子間で感染するため細菌感染しない環境をつくり、歯を守りに歯医者に通う習慣をこの時期に身につけましょう。
小中学生
永久歯となり最もむし歯になりやすいのがこの時期です。それを乗り越えるための指導を行っていきます。
この時期は塾や習いごとで忙しく歯医者は後回しとなるため親御さん含め教育をします。
KEEP28を達成するためにはこの時期からの教育が非常に重要です。
20代
生活環境の変化やストレスが増えることで歯肉炎を発症する傾向が強くなります。
一生自分の歯で過ごせるように今からできることをこの時期に指導します。
30~40代の口腔内環境の特徴
実際のところ働き盛りの方はあまり歯のことでは困っていないのですが、それは実感していないだけで歯周病は静かに進行しています。
生涯ご自身の歯で過ごせるようなインテリジェンスを持つことが大切です。
歯周病を放置していると歯を支えている骨が薄くなり抜歯となる可能性もあります。歯石を取ることで患者さん自身でコントロールしやすい口腔内環境をつくっていきます。
50~60代の口腔内環境の特徴
過去に治療した歯に不具合が発生している傾向があります。被せものを外してみるとそこがむし歯になっていたりして、しっかりとメインテナンスしていなかったことを後悔するケースも少なくありません。これからの人生をいかに健康に過ごすかを考えることが大切です。
70~80代の口腔内環境の特徴
歯を失っている方の場合は、入れ歯の調子が悪く食事ができなかったり、歯が残っている方の場合でも、ケアが行き届かず清潔に保てていなかったりします。
口の中を清潔に保つ、感染予防、栄養確保、フレイル予防が大切。
オーラルフレイル
フレイルとは、健康な状態から要介護へ移行する中間の段階のことです。
この前段階として、口から食べ物をこぼしたり、ものがうまく呑み込めなかったり、滑舌が悪くなるなどといった軽微な衰えがやがて全身的な機能低下につながることをオーラルフレイルといいます。
このフレイルの時期を短くすることが重要ということを初期治療時にお伝えしています。

メインテナンスとホームケア

メインテナンス
ただ表面の汚れや着色を落とすのではなく、新たにむし歯・歯周病が発生していないか継続してリスク管理を行います。
経過を記録し「磨き残し・出血・深いポケット」の改善したところ、悪化したところを伝えています。
歯間部のプラーク除去率
  • 歯ブラシのみ 61.2%
  • 歯ブラシ+フロス 79%
  • 歯ブラシ+歯間ブラシ 84.6%
フロスと歯間ブラシのどちらが自分に合っているか担当の歯科衛生士に聞いてみましょう。
ホームケアの新ルール
実際に歯ブラシを行う順番について説明します。
  1. 歯間ケア
  2. 歯ブラシ
  3. 歯磨剤
の順で行っていただきたいと思います。まず歯間のケアを行うと汚れがたくさん取れますのでたくさんゆすいでください。その後、歯ブラシに歯磨き粉を付けて磨いてください。ゆすぎは1回がおすすめです。5~6回ゆすいでしまう方が多くいますが、それでは歯磨き粉に含まれるフッ素がすべて流されてしまいます。
次にホームケアの新ルールについて説明します。それは「2.2.2.2ルール」です。
  • 朝晩1日2回磨く
  • 歯磨き粉は歯ブラシに2センチ程付ける
    (口の中にフッ素を残していただきたいのでたっぷり使ってください)
  • ブラッシング時間は2
    (なぜなら歯ブラシ前に歯間ブラシやフロスで汚れを除去しているからです)
  • 歯磨き後は2時間飲食をしない
    (口の中にフッ素が残っているため飲み物やガム等で流さないようにしてください)
今の歯磨き粉は1回ゆすぎに対応しておりますのでご安心ください。早速本日から実践していただくとKEEP28を達成できるのではないかと思います。
歯科健診費用補助制度について

歯科健診費用補助制度について

出野 正敏 課長代理(富士通健保組合 ヘルスケアグループ)

歯科健診費用補助制度について
口腔内の健康状態が身体の健康にも大きく関連することから、富士通健保では現在25、30、35、40歳を対象に歯科健診の費用補助を行っています。
なぜ予防歯科なのか
口腔内の健康状態が生活習慣病にも大きく関連しています。
富士通健保加入者のデータを見ると40代で歯周病がある方は、狭心症・心筋梗塞・動脈硬化の罹患率が約3倍であることがわかります。
一方、25歳~35歳の歯周病とそうでない方の狭心症・心筋梗塞・動脈硬化の罹患率に差はないですが、若い頃のメインテナンスが将来の運命の分かれ道となる可能性があるといえます。
医療費の状況(全国の健保組合年間医療費 上位5疾患(2017年度))
新生物(がん等)の3875億円を抑えて、歯科が4750億円で1位でした。
富士通健保の歯科健診費用補助制度
  • 対象者:4/1現在25歳、30歳、35歳。当該年度内(4/1~3/31)に40歳となる方
  • 健診項目:口腔内のチェック、歯周ポケット測定、ブラッシング指導
  • 補助額(年1回):定額3,500円(税込)
受診方法(以下2通り)
  1. 標準の受診方法:
    東北総務部に健診を希望する歯科医院を連絡。その後総務部が歯科医院と調整。
  2. 新たに加わる受診方法:
    仙台地区の契約OP歯科医院へ直接電話で予約。(富士通健保による健診予約の旨を伝える。)
契約OP歯科医院の紹介
契約OP歯科医院ご紹介(仙台地区)

契約OP歯科医院ご紹介(仙台地区)

伊藤 智恵先生(伊藤矯正歯科クリニック)

企業と歯科診療所が協働し、カスタマイズ型の予防メインテナンスを従業員や家族に提供するSakataモデル*1。企業の健康経営の一環として、従業員が健康で働きやすい環境とシステムを提供し、歯科診療所は科学的エビデンスに基づいたメディカルトリートメントモデルMTM*2を用いた質の高い予防メインテナンスを定期的に実践します。Sakataモデルに希望と憧れを抱く歯科医療従事者は多いはずです。また、企業従業員も、自身の企業で採用してほしいと願っています。

それは、酒田だから、日吉歯科診療所だからでしょ?ましてや、矯正歯科診療所がMTMって、おかしくない?と思うかもしれません。
でも、違います。質の高い歯科情報や検査データ、確実に健康を向上・維持させるメインテナンスを各地の歯科診療所が提供すれば、日本中の企業とその従業員・家族がそれを求めるはずです。でも、現状はこの要求を満たすことができる歯科診療所数が不足しているのです。多くの人が求める歯科医療を提供すること、それは、たとえ矯正歯科専門診療所であっても例外ではありません。いえ、健康な歯列咬合を獲得・維持する矯正歯科専門診療所だからこそ、MTMを行うべきだと実践して来ました。素材としての歯、歯周組織、咀嚼筋群、顎関節を守り、必要に応じて機能的で美しい歯列咬合を獲得し、従業員・家族皆様のQOLを大きく向上すること。その結果、企業の生産性が向上すること。そういった社会貢献もまた、矯正歯科専門医の使命だと考えています。

このたびの富士通株式会社の英断は、Sakataモデルを全国の歯科診療所や企業に採用いただく端緒となり、その取り組みに参画することで広くKEEP 28達成に寄与できます。確実な成果を導くよう誠心誠意務めてまいります。

伊藤矯正歯科クリニック

齋藤 善広先生、齋藤 みずほ先生(くにみ野さいとう歯科医院)

こんにちは、仙台市青葉区のくにみ野さいとう歯科医院です。当院は、東日本大震災のあった2011年にOP(Oral Physician)歯科医院の仲間入りをさせていただきました。これまで、ユニットが6台から12台へ、メインテナンスの患者さんは約4倍に、そして年に一度の酒田で行われるチームミーティングにも参加し、待合室には“Keep28”を大きく掲げ、予防をベースにした診療体系へと変化してきました。
この度、健保組合等の歯科健診事業に参加・協力させていただくことになりました。単に、これまでのような健診を行うだけでなく、「現在のリスク評価を行い、どのようにしたら生涯自分の歯と噛み合わせを守れるのか?治療をできるだけ行わない方法は何か?」について理解していただけるよう情報を提供していきたいと考えています。
大きな会社で働く方や健康観の高い人ほど、口腔のケアを大事にしている時代です。ぜひ、歯科健診をキッカケにして、「治療や再治療を最小限にし、質の高いメインテナンスを行う」という東北モデルをみなさまと実現したいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

くにみ野さいとう歯科医院

佐藤 長幸先生(グリーンヒルズ・デンタルクリニック)

2020年よりグリーンヒルズ・デンタルクリニックでは富士通株式会社の社員を対象とした歯科健診事業に参加致しました。これは2017年より参加した富士通株式会社の歯科クラウドサービス、そして企業のメインテナンス費用の助成に続く「医と産業の連携」の取り組みだと感じております。事前の健診説明会では、協力を申し出たOP歯科医院で今後社員健診を行うことや、健診のみならず継続受診そしてメインテナンスに繋げたいとの熱意のこもったお話を伺うことができました。なぜ先進的な企業が健康経営の担い手の一つにOP歯科医院を選んだのか?私は「歯科におけるイノベーションを企業が知ったから」に他ならないと考えています。

現在、世界の多くの地域で多くの歯科医師らは「う蝕治療」を一回限りの外科的な修復で解決する視点を取っていません。それは古典的な修復治療はう蝕組織を外科的に取り除くだけで、う蝕自体を治癒してはいないからです。OP歯科医院で行われるMTM(メディカルトリートメントモデル)*2はこの「う蝕」そして「歯周病」の根本治療となる歯科診療の体系であり、人がすべての年代ですべての歯を残すことを目的とした歯科医療の実践です。そしてこのMTMのメインプロセスが歯科衛生士によるメインテナンスなのです。まさに歯科におけるイノベーションです。メインテナンスの効果はスウェーデン(カールスタッド)や日本(酒田)で実証され、現在も全国の多くのOP歯科医院で検証され実践されています。
また、メインテナンスの成功においては患者の診療への参加が不可欠です。大切なことは患者がご自身の病気の状態やリスクを知り、ほんの少し生活習慣を改善すること。そこで患者が自分の口の中を詳しく知るために富士通株式会社の提供する歯科クラウドサービスはとても有用なツールです。クラウドサービスによって患者は再評価毎に更新される自身の最新の歯科情報を簡単に受け取り、携行ができます。ご自身や家族のデータをよくご覧になって、メインテナンス時にたくさん自分の考えをお話される患者さんらと私たちは一つのチームとなった感覚を覚えることがあるのです。また、メインテナンスの成功は口腔の健康が保たれ、歯を失わないことです。10年間ご自身の歯が保たれた口腔内写真をご覧になられた患者さんからの感謝のお言葉は歯医者として大変得難いものでした。

これらの貴重な経験は患者に選ばれた歯科医院としての経験と言えるでしょう。しかしメインテナンス費用の助成やOP歯科医院での事業所健診により、今後は企業が医療機関を選ぶ新しい時代が到来しています。高い健康観を持った企業の患者さんのご要望にお答えして行くことを想像すると刺激的な仕事ではないかなと大変期待致しております。
移転開設より8年となるグリーンヒルズ・デンタルクリニックでは現在メインテナンス患者数1781名。歯科クラウドサービス提供者は192名です。医院目標である地域メインテナンス率8%の達成、そして歯科を通じて人が肉体的にも精神的にも社会的にも満たされる一助となる歯科医療活動を目標として参ります。

グリーンヒルズ・デンタルクリニック

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~富士通ソリューションスクエア(蒲田)開催~
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